●英名:Cinnamon
●和漢名:にっけい(肉桂)、にっき、けいひ(桂皮)
●学名:Cinnamomum burmannii Blime Cinnamomun zeylanicum Blume Cinnamomun aromaticum Nees
●科名:クスノキ科の常緑樹
●原産地:スリランカ、南インド
●主産地:スリランカ、インド、インドネシア、ビルマ、ベトナム、ボルネオ、マレーシア、ジャワ、スマトラ、南米、ブラジル、ジャマイカ
原産地は南インドやスリランカなどの熱帯地方で、クスノキ科の常緑樹である。この樹皮を細長い形にナイフではぎとり、乾燥させたものがスパイスとして利用される。形状は、スティック状のものとパウダー状のものがある。甘美かつスパイシーな香りをもつスパイスである。
スパイスの中でもかなり古くから使われており、旧約聖書や古代ローマの記録にもしばしば登場する。日本への伝来も相当に古く、乾燥したシナモンが正倉院に保存されている。樹木も享保年間に中国から輸入され、以来急速に広まり、各地で自生するようになった。和名ではケイヒ、ニッキ、ニッケイと呼ばれ、京都の「八つ橋」など、各地の和菓子や香料として利用されている。日本人にとっても、なじみの深いスパイスである。
シナモンは、市場での呼び名が「シナモン」「カシア」と二つある。専門家はこの二つを分けて呼ぶことがあり、イギリスでも両者を区別しているが、一般的には同じものと考えて扱ってよいとされる。
シナモンは植物学上の変種が非常に多く、代表的な栽培品種は次の6種類である。1.セイロンシナモン2.チャイナシナモン3.バダビアシナモン4.サイゴンシナモン5.シナモン6.日本シナモン。下記は1、2、6についての説明である。
■セイロンシナモン……スリランカ原産で、現在では西インド、ブラジル、ジャマイカなどで商業的に栽培されている。幹皮をはがしコルク層を多少除去して乾燥したもので、管状を呈し厚さは1ミリほどである。表面は滑らかで、黄褐色を呈し、軽くて破れやすいのが特徴である。シナモンの中でも品質がよい。
■チャイナシナモン……中国のほか、ビエンチャンやスマトラ、ジャワなどで栽培している。6〜7年経過した樹皮をはがして乾燥させたもので、表面はざらりとしており、赤褐色を呈している。品質はやや劣るが、日本に輸入されているシナモンの70%はこのチャイナシナモンである。
■日本シナモン……日本の暖地で自生、または栽培しているが、最近はほとんど見られなくなっている。色は赤褐色を呈し、味は辛味とわずかな収れん味がある。香気は強いのだが品質は劣る 。
シナモンには若干の辛味と甘味を伴った独特の清涼感ある香りが特徴で、渋味や収れん味のないものほど高価となる。それらの成分は、産地や品種、採取部位などによっても異なってくる。
シナモンの主な芳香成分はシナミックアルデヒドで、他にはオイゲノール、ベンジンアルデヒド、カリオフィレンなどが含まれている。また、クローブ、ナツメグの芳香成分であるオイゲノールも含むため、これらの香りと共通点がある。
■シナモンは、和菓子にもよく使われている。このことからも分かるように、甘みのあるものや、甘い香りの料理と相性がよい。互いが甘味感を高める効果を発揮するのである。
そのため、砂糖を使ったケーキ、パン、クッキー、プディングなどに適する。フルーツの甘い香りにも合うため、りんごやピーチを用いたシロップ煮やパイ料理によい。アメリカではりんごジャムを作る際によく使われている。こうした料理やお菓子には、パウダー状のものが使いやすい。
■テーブルスパイスとして、シナモンパウダーと砂糖を混ぜたシナモンシュガーを作っておくと、コーヒーやお茶に入れたりトーストや焼き菓子にふりかけたり、とても便利である。目安としては砂糖(グラニュー糖か粉砂糖)1カップにシナモン大さじ3の割合で、合わせてからよく混ぜる。
■原形状のシナモンスティックは、ピクルスや飲み物、プルーンなどに用いると、シナモン特有の甘い香りをつけることができる。コーヒーやお茶にはスプーン代わりにスティックを添えるとよい。
■アラブ諸国では、マトンシチューなどの肉料理にもシナモンを使っている。挽肉を使った料理にパウダーを少量使ってみるのもよい。
■シナモンは、古くから現在に至るまで、内科的疾患に対する民間万能薬として広く利用されている。インドにおいては、腹痛や下痢の治療薬として利用されている。また、和漢薬においても広く利用されており、発熱、悪心、嘔吐などに効果を発揮する。
■シナモンの薬用作用は、主要精油成分であるシナミックアルデヒドによるものである。この成分は嗅覚を刺激し、反射的に胃の機能を亢進し、直接、消化器粘膜を刺激して分泌を高める蠕動(ぜんどう)を促すという、芳香性健胃作用がある。
■上記以外にも、シナモンにはコレステロール値と中性脂肪値の改善効果があることが報告されている
■セイロンシナモンの場合、栽培は熱帯地方に限り、さし木法か種子をまいて行う。腐葉土の混ざった深い砂地に茂る。植えつけ後2〜3年で若木を短く刈り込み、側枝を出させる。株当たり側枝6〜8本残すように整枝する。
■側枝が約2メートルに達したら地面ぎわで刈り込み、再度側枝を出させる。
■収穫は樹皮を細長い形状にナイフでそぎ取り、束にして丸1日ほど放置して発酵させる。その後、樹皮であるコルク質の外層を注意深く削り取ると、乾燥するにしたがって丸まり、細管状となる。まずは陰干し、次いで日干しを行う。この乾燥には3、4日かかる。